精神科医に向いている人の性格と特徴
精神科医の仕事は? 精神科医になるには? 年収は?
まずは精神科医の基本的なことについておさらいしましょう。
精神科医の仕事は
- 統合失調症などの精神病性障害
- うつ病などの気分障害
- 依存症(アルコール・薬物など)
- 不安障害・パニック障害などの神経症性障害
- 認知症などの器質性精神障害
- 脳器質疾患
- 自閉症・注意欠如多動性障害
- てんかん
などの治療や診断を主な対象として、患者と向き合う職業です。
他にも不眠症などの睡眠障害や、家庭・学校・職場のメンタルヘルスなども対象にしています。
いずれの場合も診断は、患者との長時間にわたる対話からはじめて、患者個人のこころの状態を的確に把握し、薬物療法、精神療法,社会療法などで治療を行います。
最近は、カウンセラー(臨床心理士)と共同作業で回復にあたることもあります。
現代において、精神神経疾患は5大疾患の中の1つとして、かなり重要な割合を占めています。ですから、その治療や対応はますます必要性を増し、精神・神経科医の果たす役割も重要となっています。今後の精神・神経科医へのニーズはますます増えてくると予想されます。
精神科医になるには? 必要な学歴は?
大雑把にまとめると精神科医になる為のルートは以下の通りです。
- 医学部医学科に進学
- 医学部ですから6年学び大学を卒業
- 医師国家試験を合格し、医師免許証を取得
- 臨床研修病院で2年間の研修
- 研修後、大学の精神科の医局or一般病院の精神科に入局
医者である以上、精神科医になる為には当然医学部に進学し、医師国家試験受験資格を得て、国家試験に合格し、その後、2年間の臨床研修を修了しなければなりません。
また精神科医を志しているからといって医学部は一通り内科から眼科、精神科等まですべて勉強することになります。精神科の事のみに特化して深く学べるということは現状の大学の制度では存在していないようです。
精神科医の年収は?
平均年収推移は1,200万円~1,500万円となっています。
お給料(月収):約90~100万円前後(棒給制が多いため、12ヶ月で均等割しています)
【精神科医の年代別推定年収】
- 20代:900万円前後
- 30代:1,200万円前後
- 40代:1,500万円前後
(参考:http://heikinnenshu.jp/iryou/seshinkai.html)
精神科医に向いている人の特徴
相手の話をよく聞ける人
精神科医に向いている人の性格は、まず最初に、相手の話をよく聞くことが大事なので、「相手の立場を想像しながら話を聞ける人」「途中でなにがあっても最後まで話を聞く我慢強さがある人」「包容力がある人」であることがあげられます。
ただし同時に、中には症状に不安を抱えた患者さんもいますから、患者さんの話を冷静に聞いて判断できなければなりません。
人の話を聞ける人でも、いちいち同調しているようではいけませんし、人の話を聞かない人でも困ります。
落ち着いた気分でいて、なにがあっても受け止める気持ちでいるといいでしょう。
人が何を必要としているのか察することができる人
いくら患者さんの話が聞けても、たまに患者さんの話は不安になりすぎて支離滅裂なこともあるでしょう。
そんな時、一体患者さんには何が必要なのかきちんと把握し、適切な判断ができる人でなければ医師には向いていないと言えるでしょう。
逆に患者さんの話を聞いて、しっかりその人に必要なものを判断できる人は素晴らしい医師に慣れると言えますね。
勉強熱心な人
次に、どの分野でもそうですが、常に進歩していくので、「常に勉強熱心であり、勉強が習慣付いてること」も大事です。最新の情報は身につけていく必要があります。
勉強が苦になると、不利かもしれません。医学書や学会などで情報収集をするといいでしょう。もちろん、あつめた情報をきちんとそしゃくして自分のものにする姿勢も大切です。
職業につくことも大変ですが、あきらめず勉強して、目指していく粘り強さも大事になってきます。すぐにあきらめたりせず、工夫しながら勉強してくことも必要になってくるでしょう。
相手の立場を考えて説明できる人
心の問題は非常にデリケートな問題でもあるため、「高い説明能力」も求められます。説明の仕方によっては、病名に納得されない患者さんもいるからです。家族の説得もとても重要になりますので、さまざまな立場の人のことも考えられる想像力も大事でしょう。学生のうちにさまざまことを経験しておくのもいいでしょう。
謙虚である
医師は傲慢になってはいけません。
傲慢な医師には誰も頼らないし、看護師だってその医師の下で働きたいとは思わないでしょう。
医師は一人ですべてこなすわけではありません。指示すれば動いてくれる看護師がいて、薬を処方してくれる薬剤師がいて、そして何より自分を信用してくれる患者さんがいて、初めて仕事が成り立つのです。
そのため、その関係が築けない医師では周りが一緒に働きたがりません。
患者さんを不安がらせない物言いができる
患者さんの病気が分かったり、患者さんが必要とするものが分かった時、不安がらせないように説明できる人が良いでしょう。
何でもストレートに伝えれば良いというわけではありません。
例えば小児科ならば、お母さんが不安になるような物言いはいただけません。大丈夫ですよ、治りますからね、という穏やかな物言いができる人が医師に向いていると言えますね。
もちろん深刻な病気の場合も、必要以上に不安に感じさせてはいけません。
ストレス耐性、体力
場合によっては、患者さんから怒られたり、理不尽なこともあるので、「ストレス耐性」「体力」「自分の発想を転換し、ストレスを軽減する力」も非常に重要です。特に、「発想を転換する力」はいろいろな場面で役に立つでしょう。
特に情緒の安定は大事です。こまめにストレス解消をしたり、休息の習慣をつけることで、自分自身の落ち着きをキープしていきましょう。
まとめ
かなり難しい仕事ではあるかもしれませんが、やりがいのある仕事でもあります。
徐々に回復していく患者さんをみるのはとても嬉しいことでしょう。感謝されることも多い仕事です。
最後に、どんな仕事にも共通することですが、大事なのは「プロ意識」です。
体調管理も含めて、自分をコントロールし、常に万全を尽くせるよう、努力を継続していくことも大切なことになります。特に精神科医の仕事をしていく上でも、重要になってくるでしょう。よい習慣をつけることも、とても大事になってきます。
精神科医という仕事は、言うまでもなく、これからの時代に、さらに重要になってくる仕事でしょう。
とても過酷な仕事で、自己努力がとても大切にはなりますが、きっといつも必要とされる仕事です。ですので、多少のことでは、へこたれずに、常に前進する気持ちを大切にしていきましょう。